“ 「横手美智子」はマネジメントとプロットとダイアログ担当の3人で作っているユニットです。
触れ回ったこともないかわり隠した覚えもないのですが、3人でどうやって書いているんですかと驚かれることが多いので説明です。
仕事を受けるのはAという人間です。
彼女の名前が「横手美智子」というわけで、ユニットの名前もなし崩し的にこれになりました。こんなに長いこと共同作業が続くことがわかっていたなら初めにきちんとペンネームを考えておくんだったと後悔しています。
先ず、電話やメールなど連絡は全部彼女にまわしてもらうようにしています。
打ち合わせに行くのもほとんどが彼女なので彼女が書いていると思う方が殆どのようです。
BとCは余程のことがない限り打ち合わせには参加しません。
理由は後述しますが。
Aが監督やプロデューサーから、作品の内容や〆切の期日などを聞いてきて、BとCに連絡を回します。
作業はまず、Bが粗筋を考えます。
極稀にCが口を出すこともありますが、基本的にこの段階ではBに一任されています。
それを受け取ったAがBと話をして粗筋をのみ込んだ上で打ち合わせに再び出席します。
そこで出た意見を今度はCにプレイバックしてシナリオ作業に入ります。
Cの作業のメインはダイアログを考えることです。
Bのプロットは打ち合わせ用の原稿用紙200字詰め10枚程度のものと、C用の状況や動きなどを特定したかなり長いものの二つが用意されているからです。
何故わざわざ二つも作るかというと、商業上の戦略ということになります。打ち合わせ用のプロットは決め込んだものよりもある程度ラフなほうが意見を貰いや
すく、また話の核を見てもらいやすいと考えているからです。
CはAを通じてもたらされる意見とBのプロットを摺り合わせながら、ダイアログを詰めて行きます。
勿論、構成を変えることもありますが、それは逐一Bと相談しながらです。
この一言を言わせたいがために、舞台を街から荒野に移すということもあり 、そんな時はさすがにBとCの間でかなり激しいやり取りが展開されます。 そうして出来上がったシナリオの初稿をAが読み込み、理解した上で打ち合わせに持ち込みます。
この段階で、AからBとCに駄目押しが出ることもあります。
Aは自分が実際に書かないためか、もっとも〆切に寛容(笑)な性格です。
本当は出来ているのに、 彼女の駄目出しのせいで送るのが一日遅れてしまったということもあります。
シナリオの直しは基本的にBの担当です。というのは、直しの内容は構成に関するものが殆どだからで、最後にCがダイアログを調整して、直しの作業が終わります。
その他に、コメントやこの日記のようなシナリオ以外の文章はAが主に担当しています。
ABCのどの人間にも偏らないよう留意してくれとBCは言っているのですが、やはり個人的な話になるとAが中心になるようです。
ただ、Aの名誉のためにも申し上げておきますがすべてがAの体験というわけではなく、ところどころにBCのものも入っています。ところどころですが。
何故このような態勢を取るに至ったかと言いますと、単純に時間と距離の問題です 。
BCは打ち合わせに参加できる場所におらず、ライターに専念できる時間がないのです。 また得手不得手の問題もあります。
煩雑そうなシステムですが、今のところ不満はありません。
いただくギャランティーも きれいに三分割です。
小説はまたシステムが微妙に違いますが、これはまた後日説明したいと思います。
このシステムでただ一つ不満があるとすれば、パーティーや宴会に出席できるのがAだけだということでしょうか。(笑)
BCも他のライターさんとお知り合いになってみたいのですが、どうやら当分無理のようです。
もっともAとだって声は聞くものの、もう二年以上会っていないのですが 。 ”
12月の乱入日記